暗号資産の買い方は、何を買うかよりも「どこに住んでいるか」で大きく変わります。たとえば1万円分のビットコインを買う場合、東京の会社員が国内取引所の板(取引所)で買えば、手数料は十数円以下で済むこともあります。ところが同じ人がアプリの「販売所」でボタンを押すだけだと、スプレッドで数百円差し引かれていることも珍しくありません。海外のカード購入サービスなら手数料と為替コストでさらに上乗せされます。コインは同じでも、ルート次第で手元に届く量が変わるのです。
このページは「仮想通貨を買う方法」のハブです。まず日本在住の方向けの基本を押さえ、次にアジアで使われている5つのルートと国別の始め方、6つのステップ、初回購入前のチェックリストを順に解説します。ビットコインだけ知りたい方はビットコインの買い方へ、ステーブルコインはテザー(USDT)の買い方へどうぞ。
01日本在住なら:金融庁登録の国内取引所が基本
日本で暗号資産を買うなら、答えはシンプルです。金融庁に登録された暗号資産交換業者を使い、日本円を銀行振込やクイック入金で入れる。2026年9月1日時点で登録業者は27社あり、bitFlyer、Coincheck、GMOコイン、bitbank、SBI VCトレード、Binance Japan、OKJ などが含まれます。登録の有無は金融庁の登録一覧(PDF)で必ず確認してください。
注意したいのが販売所と取引所の違いです。販売所は業者が提示する価格で売買する方式で、操作は簡単ですが「手数料無料」の裏にスプレッドがあります。Coincheck は販売所の実質的なスプレッドを0.1〜5.0%(一部銘柄はさらに広い)と開示しています。一方、利用者同士が板で売買する取引所では、手数料はおおむね0〜0.15%で、メイカー注文にリベート(マイナス手数料)がつく業者もあります。
日本の国内取引所は一般にクレジットカードでの購入に対応しておらず、入金手段は銀行振込、ネット銀行経由のクイック入金、コンビニ入金(Coincheck、手数料770円〜)、PayPay マネー(Binance Japan)が中心です。海外の無登録業者には金融庁が警告書を出しており、Bybit は2025年10月31日に日本での新規登録を停止しました。取引所ごとの手数料比較は日本の暗号資産取引所おすすめ比較、規制と税金の全体像は日本で暗号資産を買うガイドにまとめています。
02暗号資産を買う5つの方法と、それぞれのコスト
1. 現地で登録・認可された取引所に自国通貨で入金する
アジアの多くの読者にとって、最も安く法的保護もあるルートです。日本の金融庁(JFSA)登録業者、香港証券先物委員会(SFC)やタイ SEC の認可業者、台湾金融監督管理委員会(FSC)の登録業者などは、現地の銀行と直接つながっています。香港の FPS、シンガポールの PayNow、タイの PromptPay、マレーシアの FPX、インドの UPI などが使え、入金は無料のことが多く、板取引の手数料は0.05〜0.25%程度です。
弱点は取扱銘柄が少なめなことと、現地の身分証と銀行口座が必要なこと。そして前述の「板」と「簡易購入(販売所)」の差は、日本に限らずアジア各国のアプリに共通する落とし穴です。
2. 海外の国際取引所
Binance、OKX、Coinbase、Kraken などは銘柄が多く流動性も厚いため、特定のコインが欲しい人や海外在住者には魅力的です。ただし「登録できる」ことと「住んでいる国で合法」であることは別問題です。タイ SEC は2025年に Bybit と OKX をブロックし、フィリピンは2024年から Binance をブロック、インドネシアの OJK は Binance や Coinbase を含む無許可228業者を停止しました。日本でもグローバル版の Binance や OKX は使えず、居住者は国内法人の Binance Japan や OKJ の対象です。
3. デビット/クレジットカード、Apple Pay、Google Pay
カードはオンラインで暗号資産を買う最速の方法で、数分で完了するため少額の初回購入に向いています。ただし高くつきます。2〜5%の手数料は普通で、米ドル・ユーロ・英ポンド建てで決済する業者ならカード会社の為替手数料も加わります。シンガポールでは認可業者が国内発行のクレジットカードを受け付けることが禁じられ、韓国でもカードでの暗号資産購入は2018年から事実上できません。詳しくはクレジットカードで暗号資産を買う方法とApple Pay での購入をご覧ください。

4. 銀行振込(海外送金を含む)
業者が自国通貨に対応していれば、国内振込が最も安い入り口です。米ドルの SWIFT 送金しか受け付けない業者だと、固定の送金手数料のせいで少額入金は割に合いません。詳しくは銀行振込で暗号資産を買う方法へ。
5. P2P(個人間取引)
パキスタン、ベトナム、バングラデシュなど銀行の対応が限られる地域では、P2P が実質的な主流です。売り手に自国通貨で直接支払い、プラットフォームが売り手のコインをエスクローで預かり、入金確認後にコインが渡ります。問題は価格とリスクです。2026年10月1日に Binance P2P を確認したところ、インドの USDT は約102.8ルピーと市場の中値より約7%高く、パキスタンでも約2%の上乗せでした。さらに危険なのは、詐欺に関係する資金を受け取って銀行口座ごと凍結されることです。なお日本の登録業者には P2P 市場はありません。ルールと注意点はP2P ガイドで解説しています。

03国・地域別:どこから始めるか
19市場の調査をもとにした出発点の一覧です。原則は「現地の登録・認可業者と自国通貨の振込が使えるなら、まずそれを使う」。国名のリンク先で、ライセンス、手数料、税金を詳しく解説しています。
| 市場 | 現地の登録・認可業者(規制当局) | 主な入金方法 | 知っておきたいこと |
|---|---|---|---|
| 日本 | 金融庁登録27社:bitFlyer、Coincheck、GMOコイン、bitbank など | 銀行振込、クイック入金、PayPay(Binance Japan) | 国内業者はカード非対応が一般的。CEX.IO は日本居住者不可 |
| 韓国 | Upbit、Bithumb、Coinone、Digital X、Gopax | 提携銀行の実名口座 | 2018年からカード購入不可。未申告の海外業者への送金は遮断 |
| 香港 | SFC 認可の13業者(OSL、HashKey など)。ZA Bank、Futu は認可業者経由 | FPS、eDDA、銀行振込 | 個人向け銘柄は少なめ。CEX.IO は居住者を受け付けるが SFC 認可なし |
| シンガポール | MAS 認可:Coinbase、OKX SG、Coinhako、Independent Reserve など | PayNow、FAST | 国内発行クレカ不可。CEX.IO は居住者不可 |
| 台湾 | FSC にマネロン登録した11業者(MAX、BitoPro など) | 銀行振込、コンビニ(BitoEX) | 2026年6月に仮想資産サービス法が成立 |
| インド | FIU-IND 登録54業者(CoinDCX、CoinSwitch、ZebPay など) | UPI、IMPS | 30%課税+1% TDS。CEX.IO は居住者不可 |
| インドネシア | OJK 認可26業者(Indodax、Tokocrypto、Pintu など) | バーチャル口座、QRIS、電子ウォレット | 約1万1,000ルピアから購入可 |
| フィリピン | BSP 認可9業者(Coins.ph、PDAX、GCash GCrypto など) | InstaPay、GCash、Maya | 2024年から Binance をブロック |
| タイ | SEC 認可:Bitkub、Binance TH、Orbix、Upbit TH | PromptPay、銀行振込 | 認可業者経由の売却益は2025〜29年非課税 |
| マレーシア | SC 登録 DAX:Luno、HATA、MX Global、SINEGY、KDX | FPX、DuitNow | SC が Binance・Bybit にサービス停止を命令 |
| パキスタン | PVARA による認可手続き中。Binance と HTX は NOC 取得 | Easypaisa 経由の P2P、銀行振込 | P2P の上乗せは約2% |
| UAE | VARA / ADGM / CMA:Binance、OKX、Crypto.com、Bybit、BitOasis | AED 銀行振込 | 個人所得税0% |
| カザフスタン | AFSA 認可:Binance KZ、Bybit KZ、ATAIX | Freedom Bank、国内カード | P2P に使った Kaspi 口座は凍結されることも |
| キルギス | 100以上の認可 VASP(国内両替業者を含む) | 国内銀行、P2P | 制裁対象の A7A5 / Grinex 関連は避ける |
| ベトナム · 中国 · バングラデシュ · ミャンマー · ブータン | 居住者が合法的に使える業者がまだない、または全面禁止 | — | 法的状況の解説のみ。購入ルートは案内しません |
2026年10月時点のデータです。登録・認可の一覧は変わるため、必ず規制当局の公式名簿で確認してください。
ライセンスの確認は公式名簿で行いましょう。金融庁の暗号資産交換業者登録一覧、SFC の認可業者リスト、タイ SEC のライセンス検索などです。
表にない国の方や海外在住の方へ。業者は国籍ではなく居住国で判断するため、大切なのは「今住んでいる国で証明できる身分証と住所」です。海外赴任中の日本人なら、赴任先の居住者として現地のルールが適用されます。各国のガイドは国別ガイド一覧からどうぞ。中国本土では2021年の中国人民銀行の通知により暗号資産取引サービスが違法とされています(中国の法的状況)。
04暗号資産の買い方:6つのステップ
どのルートでも流れはほぼ同じです。ここでは国内の登録取引所を例にします。
- 住んでいる国で合法な業者か確認する
日本なら金融庁の登録一覧(PDF)、香港なら SFC の認可リストなど、規制当局のサイトで確認します。取引所自身の「世界でライセンス取得」という宣伝は証明になりません。
- 口座を作り、二段階認証を設定する
よく確認するメールアドレスで登録し、すぐに認証アプリによる二段階認証をオンにします。SMS より安全です。
- 本人確認(eKYC)を済ませる
身分証をアップロードし、自撮りや短い動画を撮影します。数分〜1、2日で完了します。限度額については本人確認と限度額のガイドで解説しています。
- 日本円(自国通貨)を入金する
銀行振込やクイック入金など国内の送金手段を優先し、振込先の名義が取引所と一致しているか確認します。
- 買い注文を出す
最初は販売所や「かんたん購入」でも構いませんが、受け取る数量を確認してから確定しましょう。コストを抑えるなら取引所(板)の指値注文です。
- 保管場所を決める
少額なら登録業者に置いたままでも構いません。金額が大きい・長期保有なら自分のウォレットへの移動を検討し、まず少額でテスト送金します。ウォレットガイドも参考に。
対象国・地域にお住まいの方(海外在住の日本人の方など)は、カードで少額から試すこともできます。登録と本人確認は数分、Visa・Mastercard・Apple Pay・Google Pay に対応。国際プラットフォームで、アジアの規制当局のライセンスはありません。日本・シンガポール・インドの居住者は利用できません。
初めての購入へ05コスト比較:100ドル分の暗号資産、実際いくらかかる?
コストを比べるときは「手数料無料」の表示ではなく、実際に受け取れるコインの量を見てください。購入価格と市場価格の差であるスプレッドは、表示された手数料より大きいことがよくあります。以下は公表されている手数料表と2026年10月の P2P 価格をもとにした、おおよその総コストです。
ポイントは2つ。定期的に買うなら、10分かけて指値注文を覚えるだけで数か月で元が取れます。そしてカードは初回購入や緊急時のためのもので、毎月の積立には向きません。少額の積立については少額・積立で買う方法、業者ごとの手数料は取引所の手数料比較をご覧ください。
06海外在住者向け:カードで買える国際プラットフォーム3選
このランキングは、住んでいる国に適切な現地業者がない方や、カードで少額をすぐ買いたい対象国の居住者向けです。日本在住の方は、ここではなく金融庁登録の国内取引所を選んでください。順位はカード購入の流れ、手数料の透明性、運営実績、アジア各国での法的な位置づけを総合したものです。必ず自分の国の居住者を受け付けているか確認してください。
- 編集部おすすめ · カード購入(対象国居住者向け)
CEX.IO2013年創業 · カード購入
2013年創業の老舗取引所で、Visa、Mastercard、Apple Pay、Google Pay で直接購入できます。米国では FinCEN 登録の送金業者(MSB)として各州の送金業ライセンスを持ち、英国ではマネロン対策目的に限って FCA に登録されています。アジアの規制当局のライセンスは持っておらず、アジアの顧客には国際法人 CEX OVRS LLC(ネビス)がサービスを提供するため、現地の投資家保護は適用されません。日本居住者は利用できません。
- カード手数料 0.49〜4.99% + サービス料
- 現物 0.15% / 0.25%
- 新規口座は1日1,000ドルまで
- 日本・シンガポール・インド居住者は対象外
-
Binance流動性最大級 · P2P
取扱銘柄が最も多く、アジア各通貨に対応した P2P 市場もあります。ただし法的な位置づけは国によって大きく異なります。日本では金融庁登録の Binance Japan、タイでは Gulf Binance、ドバイでは VARA ライセンスで運営される一方、フィリピンでは2024年からブロックされ、シンガポールとマレーシアでは利用できません。日本居住者はグローバル版ではなく Binance Japan の対象です。
- 現物 0.10% / 0.10%
- P2P はテイカー手数料なし
- 複数の国に現地法人
-
Coinbase米国上場 · 初心者向け
初めての人にとって最もわかりやすい画面のひとつです。シンガポールでは MAS のライセンスを持ち、インドでは2026年5月からルピー入金に対応しました。日本では2023年に個人向けサービスを終了しています。簡易購入はスプレッドとカード手数料がかさむため、金額が大きいときは上級者向け画面を使いましょう。
- MAS ライセンス(シンガポール)
- INR 入金(2026年)
- 日本では個人向け終了
07初めて暗号資産を買う前のチェックリスト
- その業者は合法? 広告ではなく、規制当局の名簿で名前を確認しましょう。
- 値動きに耐えられる? 1日で10%下がることも珍しくありません。失っても困らないお金だけにしましょう。
- 口座の守りは固い? 認証アプリ、フィッシング対策コード、出金先ホワイトリストを設定します。暗号資産のセキュリティも参照。
- 総コストを把握している? 入金手数料、取引手数料、スプレッド、出金手数料を合計してみましょう。
- 売り方を知っている? 入れるのは簡単でも、出すのは難しいもの。先に日本円に戻す方法を読んでおきましょう。
- 記録を残している? 日本、インド、韓国などは暗号資産の利益に課税します。確定申告に備えてアジアの暗号資産税制も確認を。
- 誰かに「今すぐ買え」と言われていない? SNS で知り合った人や「先生」、投資グループが特定のサイトを勧めるのは、SNS 型投資詐欺やロマンス詐欺の典型的な入り口です。
準備ができたら、銘柄別ガイドのビットコイン、イーサリアム、USDTへ進むか、取引所ランキングや国別の支払い方法で比較してみてください。
よくある質問
初心者が暗号資産を買う一番簡単な方法は?
日本在住なら、金融庁に登録された暗号資産交換業者で口座を開設し、本人確認(eKYC)を済ませ、銀行振込やクイック入金で日本円を入れて購入するのが基本です。手軽な「販売所」は手数料無料と表示されていても、スプレッドとして数%のコストがかかることがあります。慣れてきたら板取引の「取引所」を使うとコストを大きく抑えられます。
本人確認なしで暗号資産を買えますか?
正規の業者では買えません。日本を含むアジア各国の規制当局は、交換業者に本人確認とマネロン対策を義務づけており、未確認の口座では入金・購入・出金ができないのが普通です。「本人確認不要」をうたうサービスは価格が不利で限度額も低く、詐欺や口座凍結に巻き込まれるリスクが高いため、おすすめしません。
クレジットカードと銀行振込、どちらが安い?
ほとんどの場合、銀行振込です。国内の登録業者は日本円の入金を無料にしていることが多く、取引所(板取引)の手数料は0〜0.15%程度です。一方、国内取引所では一般にクレジットカードで暗号資産を買えず、海外のカード購入サービスでは2〜5%の手数料に加えて為替手数料がかかるのが一般的です。金額が大きいほど振込が有利です。
海外取引所を日本から使ってもいいですか?
金融庁に登録していない海外業者は、日本居住者向けに営業すると無登録営業となり、金融庁は Bybit、MEXC、Bitget、KuCoin などに警告書を出しています。Bybit は2025年10月31日に日本での新規登録を停止しました。日本居住者は登録業者(Binance Japan や OKJ など国内法人を含む)を使うのが安全です。
最初はいくらから買えばいい?
失っても生活に困らない金額だけにしてください。国内には数百円程度から買えるアプリもあります。最初はごく少額で「入金→購入→送金」の流れを一度試し、仕組みを理解してから続けるかどうか決めるのがおすすめです。BuyCrypto.asia は投資助言を行いません。
参考資料
- 金融庁 — 暗号資産交換業者登録一覧(PDF) · 2026年9月1日現在
- 金融庁 — 無登録で暗号資産交換業を行う者への警告 · 2026年10月確認
- SFC Hong Kong — lists of licensed virtual asset trading platforms · 2026年10月確認
- Thai SEC — licensed digital asset business check · 2026年10月確認
- Binance — fee schedule · 2026年10月確認
最初の一枚を買ってみませんか?
登録と本人確認は数分。その後はカードやApple Payでビットコイン・イーサリアム・USDTを購入できます。
国際ライセンス取得プラットフォーム · 2013年から運営 · 対象国の居住者向け(日本居住者は対象外)