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安全性 · ライセンス · 2026年10月確認

暗号資産取引所は破産する?10の事例で学ぶ安全性の見極め方

「バイナンスは破産しない?」「この取引所は詐欺?」答えは一言では言えませんが、確かめる方法はあります。この10年の破綻、ハッキング、持ち逃げを並べ、資産が戻った人と全てを失った人を分けたものを解説します。

  • 約85万BTCMt.Goxで失われたビットコイン
  • 482億円DMMビットコインの流出額(全額補償)
  • 米国FinCEN登録MSB
  • 米国30州以上の送金業ライセンス
  • PCI DSSレベル1
ビットコインの上に置かれた裁判官の小槌。暗号資産取引所の安全性・破産・金融庁の規制のイメージ
27社金融庁登録の暗号資産交換業者(2026年9月1日時点)
BuyCrypto.asia 編集部 データ確認: 2026年10月 更新:

01よくある質問:バイナンス、Coincheck、Bybitは安全?

「取引所 破産」「この取引所は大丈夫?」と検索する人の多くは、特定の取引所を思い浮かべています。そこで一般的なチェック方法の前に、よく聞かれるブランドについて2026年10月時点の事実を整理します。最初にお断りしておくと、絶対に破綻しないと約束できる取引所はありません。以下は公開情報で確認できる範囲の話です。

Coincheckは詐欺ではありません。金融庁に登録された暗号資産交換業者で、2018年のNEM流出事件の後にマネックスグループの傘下に入りました。日本の大手取引所の一つで、事件後は日本円で顧客への補償が行われています。

バイナンスは破産していません。取引量で世界最大の取引所であり、マークルツリー方式の準備金証明を公開しています。2023年11月に米国で有罪を認めて約43億ドルを支払い、創業者のチャンポン・ジャオ氏は2025年10月に恩赦を受けました。日本では、金融庁が2018年と2021年に海外のBinance Holdingsへ警告書を出しており、居住者は登録業者であるBinance Japanを利用する形です。アジアではタイ(Gulf Binance)やカザフスタンAIFCでライセンスを持ち、インドではFIU-INDに登録していますが、フィリピンではブロックされ、シンガポールからは2021年に撤退しています。

Bybitは日本の登録業者ではありません。金融庁から繰り返し警告書を受けており、報道によれば2025年10月31日から日本居住者の新規登録を停止しています。MEXC、Bitget、KuCoin、LBankなども警告書の対象です。Krakenはハッキングで顧客資金を失ったことはないとしていますが、2023年に日本から撤退しました。Coinbaseは日本法人が登録業者として残っているものの、個人向けの暗号資産サービスは終了しています(2023年と報じられています)。「詐欺ではない」と「日本で登録されている」はまったく別の問いです。

0210の事例:取引所の破産、ハッキング、持ち逃げ

大きな事件を結果ごとに並べると、パターンは明白です。何か起きたとき、規制下にあり資本が厚く、顧客資産を分別管理している取引所の利用者はたいてい資産を取り戻し、無登録や詐欺的な取引所の利用者はたいてい取り戻せません。日本はその両方を経験してきた国です。

主な取引所の破綻・ハッキング事件
事件時期被害利用者のその後
Mt.Gox(東京)2014年約85万BTC民事再生。弁済は2024年にようやく始まり、期限は2026年10月まで延長と報道。日本の交換業者登録制度のきっかけに
Coincheck(日本)2018年1月NEM 約5.3億ドル相当ホットウォレットから流出。日本円で補償され、マネックスが買収
Thodex(トルコ)2021年4月最大約20億ドルと報道創業者が逃亡、後に禁錮11,196年。約39万人の大半は未回収
FTX / FTX Japan2022年11月数十億ドル規模の不足FTXは破産し配当は2025年開始。FTX Japanの顧客は分別管理ルールで資産を回収
JPEX(香港)2023年9月16億香港ドル超無登録業者、被害者2,700人以上。2026年までに26人起訴
DMMビットコイン(日本)2024年5月4,502.9BTC(482億円)グループが全額補償。2025年にSBI VCトレードへ口座移管し廃業
WazirX(インド)2024年7月約2.35億ドルシンガポール裁判所認可のスキーム。2025年10月に残高の約85%を支払い再開(損失を利用者が分担)
Bybit(ドバイ)2025年2月ETH 約14〜15億ドル史上最大のハッキング。自己資金とつなぎ融資で72時間以内に補填
BtcTurk(トルコ)2024年6月 / 2025年8月約5,500万 + 約4,800万ドルホットウォレットが2度侵害。SPKの暫定リストで営業継続
Tokenize Xchange(シンガポール)2025年負債 約2.66億シンガポールドルMASがライセンスを拒否。資産約260万シンガポールドルで清算、創業者は詐欺的取引で起訴

被害額は当時の報道ベース。複数のハッキングはFBIなどにより北朝鮮のLazarus Group(TraderTraitor)によるものとされています。

アジアの登録済み取引所でも事故は起きています。インドのCoinDCXは2025年7月に自社資金約4,400万ドル、インドネシアのIndodaxは2024年9月に約2,200万ドル、韓国のUpbitは2025年11月にホットウォレットから約445億ウォンを失いました。いずれも取引所側が損失を吸収し、顧客残高には影響がありませんでした。規制当局が資本要件やコールドウォレット比率にこだわるのは、まさにこのためです。

ビットコインのネオンサインが並ぶアジアの夜市の白黒写真。活気とリスクが同居する暗号資産取引所の世界のイメージ
アジアは世界有数の暗号資産取引の中心地であり、取引所詐欺や持ち逃げが多発する地域でもあります。

03利用者を実際に守ったもの:分別管理、規制、コールドウォレット

顧客資産の分別管理。FTXが破綻したとき、顧客の資金と会社の資金は混ざっており、整理に2年かかりました。一方、日本の資金決済法に縛られていたFTX Japanは顧客資産を分けて管理する義務があったため、日本の利用者は真っ先に資産を取り戻せました。Mt.Gox事件を経て整備された日本の交換業者登録制度が、実際に機能した例です。韓国の仮想資産利用者保護法(2024年7月施行)も利用者の暗号資産の80%以上をコールドウォレットで保管し、ウォン預かり金を銀行に預けることを義務づけ、シンガポールMASも認可業者に顧客資産の信託保全を求めています。

規制と資本。DMMビットコインがハッキングされた後、DMMグループは資金を調達して顧客に全額補償しました。482億円という巨額の流出でしたが、利用者の資産は守られ、口座は2025年3月にSBI VCトレードへ移管されています。金融庁は2024年12月、この攻撃を北朝鮮系の「TraderTraitor」によるものと発表しました。Bybitも自己資本とつなぎ融資で14億ドルの穴を3日で埋めました。ThodexやJPEXのような無登録業者には、誰かへの返済を強制する仕組みがありませんでした。

コールドウォレット比率。大型ハッキングのほとんどは、ホットウォレットか、マルチシグ管理のサプライチェーンの弱点を突いたものです。コールドに置く割合が高いほど、1回の盗難で失われる上限は下がります。これは暗号資産取引所ランキングでも確認している項目です。

今後の制度変更にも触れておきます。報道によれば、暗号資産を金融商品取引法上の「金融商品」と位置づけ、インサイダー取引の禁止や無登録業者への罰則強化を盛り込んだ改正法が2026年7月に成立し、2027年度の施行が見込まれています。規制の枠組みは今後さらに厚くなる方向です。

04金融庁登録の確認方法と、アジア各国のライセンス確認先

正規の取引所かどうかを確かめる唯一確実な方法は、規制当局自身の登録簿です。取引所のトップページにある「世界各国でライセンス取得」というバナーではありません。JPEXは米国、カナダ、オーストラリア、ドバイのライセンスを偽って主張していました。日本では、金融庁が公表する「暗号資産交換業者登録一覧」に2026年9月1日時点で27社が掲載されています。自主規制団体として日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)もあります。以下は2026年10月に確認したアジア主要市場の規制当局と公式登録簿です。

アジアの暗号資産ライセンス公式登録簿
市場規制当局公式登録簿 / 備考
日本金融庁(FSA)暗号資産交換業者登録一覧(27社、2026年9月)· 無登録業者への警告
香港SFC認可VATP一覧(13社、2026年5月)· 警告リスト
シンガポールMASFinancial Institutions Directory(digital payment token serviceで絞り込み)
台湾FSCVASPのAML登録一覧(11社、2026年9月)
韓国KoFIU(金融情報分析院)kofiu.go.kr VASP届出状況
タイSECライセンス確認 · Check Firstアプリ
マレーシア証券委員会(SC)登録DAX一覧(5社)
インドネシアOJKojk.go.id 認可・登録プラットフォームのホワイトリスト
フィリピンBSP / SECBSP VASP一覧 · SEC 無登録業者への勧告
インドFIU-INDAML登録のみで公的な一覧はなし · コンプライアンス命令
UAEVARA / ADGM FSRAVARA公開登録簿(ドバイ)· ADGM
カザフスタンAFSA(AIFC)AFSA公開登録簿
パキスタンPVARApvara.gov.pk:2026年10月時点で取引所の正式ライセンスなし
トルコSPK(CMB)暫定営業リスト(掲載=認可ではない)

中国本土:2021年の中国人民銀行など10部門の通知により、暗号資産取引サービスは違法とされ、本土居住者にサービスを提供する海外取引所も含まれます。本土に「認可された取引所」は存在しません。

登録簿を使うときのポイントは3つです。第一に、ブランド名ではなく法人名を照合すること。同じブランドでも国ごとに運営会社が異なり、登録されているのは現地法人だけ、ということがよくあります(バイナンスとBinance Japanの関係がその例です)。第二に、Webサイトを照合すること。公式ドメインは登録内容と一致しているはずで、偽ドメインは1文字だけ違うことがよくあります。第三に、登録とライセンスの違いを知ること。インドのFIU-INDや英国FCAの暗号資産登録はマネーロンダリング対策の登録で、投資家保護にはなりません。国別の詳細は国別ガイド、特に日本の暗号資産ガイドをご覧ください。

05準備金証明(PoR):役に立つが、保険ではない

FTX破綻後、Binance、OKX、Bybit、Bitget、KuCoin、Gate、HTX、Crypto.comなどがマークルツリー方式の準備金証明を公開し始めました。仕組みは、取引所が全顧客の残高をハッシュ化して暗号学的なツリーにまとめ、そのルートとオンチェーンのウォレットアドレスを公開するというもの。利用者は自分のアカウントIDで、残高が集計に含まれていること、ウォレットに少なくともその額があることを確認できます。

限界も同じくらい重要です。あくまでスナップショットなので、直前に借りてきたコインや直後に移されたコインは見えません。すべての負債を反映することはまれで、銀行やマーケットメーカーへの債務、簿外の保証、顧客資産の貸し出しは対象外のことがあります。保証の水準もまちまちで、会計士やセキュリティ企業による報告もあれば自己申告のものもあります。監査付きの取り組みをもっとも長く続けているのはKrakenです。

PoRを公開していないから即危険、公開しているから安心、というわけではありません。当サイトがカード購入向けに紹介しているCEX.IOは、全体像で判断する好例です。2013年創業で、米国FinCENに登録されたマネーサービス事業者として30以上の州で送金業ライセンスを持ち、英国FCAにはマネーロンダリング対策目的でのみ登録しています。公開された準備金証明は見当たらず、アジアの規制当局のライセンスは持っていません。また日本居住者は利用できません。これらの事実を踏まえたうえで、どのプラットフォームにどれだけ置くかを決めてください。

対象国・地域にお住まいの方は、少額でカード購入から自分のウォレットへの出金まで一通り試せます。Visa・Mastercard・Apple Pay・Google Pay · 日本・シンガポール・インドの居住者は利用できません

初めての購入へ

06詐欺取引所の危険信号と5分チェック

  1. 登録簿を確認

    上の表から規制当局を探し、日本なら金融庁の登録一覧で業者の法人名が掲載されているか確認します。

  2. 警告を確認

    金融庁の無登録業者への警告や、「業者名 + 詐欺 / 破綻 / 警告」でニュースを検索します。

  3. アドレスを確認

    Webサイトを登録内容と照合してブックマーク。アプリは公式ストアからのみ入れ、開発元名を確認します。

  4. 少額で出金テスト

    少しだけ入金し、自分の銀行口座やウォレットに出金できることを確かめてから追加します。

  5. リスクを分散

    一つの取引所に全額を置かず、長期保有分は自分のウォレットへ移します。

不審なプラットフォームにすでに送金してしまった場合は、セキュリティガイドの対処法を参考にし、「資金回収」をうたう業者には注意してください(たいてい二次被害の詐欺です)。正規の取引所がなぜ本人確認を求めるのかは本人確認(KYC)と購入上限で解説しています。公式情報は金融庁の暗号資産交換業者登録一覧と無登録業者への警告ページで確認できます。

よくある質問

もっとも安全な暗号資産取引所はどこですか?

絶対に破綻しない取引所はありません。ただ多くの人にとって安全性が高いのは、住んでいる国の規制当局に登録・認可され、顧客資産を分別管理し、コールドウォレット比率が高く、事故歴がない(または適切に対処した)取引所です。日本在住なら金融庁の登録一覧で業者名を確認し、取引所には売買する分だけを置き、長期保有分は自分のウォレットへ移しましょう。

バイナンスは破産しそうですか?

いいえ。2026年10月時点でバイナンスは通常どおり運営されており、マークルツリー方式の準備金証明を公開しています。2023年11月に米国で有罪を認め約43億ドルを支払いましたが、これは執行上の和解で、経営破綻ではありません。日本では海外版は利用できず、金融庁登録のBinance Japanが居住者向けにサービスを提供しています。

取引所が破綻したら、暗号資産は戻ってきますか?

現地の法律と、顧客資産が分別管理されていたかによります。FTX Japanの顧客は日本の分別管理ルールのおかげで資産を取り戻しました。一方、FTXの海外顧客は破産手続きによる配当まで約2年待ち、ThodexやJPEXのような無登録・詐欺的なプラットフォームの利用者はほとんど回収できていません。分別管理された登録業者のほうが、はるかに有利です。

準備金証明(PoR)があれば支払い能力は保証されますか?

いいえ。準備金証明は通常、ある時点で取引所が保有していた顧客資産を示し、自分の残高が含まれていたかを確認できるものです。すべての負債や借入、簿外リスクまでは反映されないことが多く、スナップショットの後に資金が動く可能性もあります。透明性を高める有用な手段ですが、監査済みの支払い能力証明ではありません。

Krakenは詐欺ですか?

いいえ。Krakenは長い歴史を持つ米国の取引所で、ハッキングで顧客資金を失ったことはないとしており、監査付きの準備金証明をもっとも長く続けています。ただし「詐欺ではない」ことと「自分の国で登録されている」ことは別問題です。Krakenは2023年に日本から撤退しており、金融庁の登録業者ではありません。「Kraken詐欺」の話の多くは、偽サイトによるものです。

参考資料

登録を確認してから、少額で始めよう

規制当局の登録一覧で業者を確認し、口座を開いて少額から購入。長期保有分は自分のウォレットへ移しましょう。

国際ライセンス取得プラットフォーム · 2013年から運営 · 対象国の居住者向け(日本居住者は対象外)
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