アルマトイやアスタナで「ビットコインはどうやって買うの?」と聞けば、答えは中央アジアのほとんどの国よりはっきりしています。AIFC認可の取引所で、テンゲで入金する。カザフスタンには2023年からデジタル資産法があり、BinanceとBybitが規制下の現地法人を設け、政府は没収資産と国営マイニングで暗号資産の準備を積み上げています。ただし裏側も現実です。地下の「両替所」や無認可プラットフォームが次々と遮断され、数万枚の銀行カードが凍結されました。このガイドではカザフスタンで暗号資産を合法的に買う方法と、絶対に避けたい落とし穴を解説します。
01カザフスタン暗号資産市場パスポート
- 通貨
- カザフスタン・テンゲ(KZT)
- 法的地位
- 認可プラットフォームを通じた保有・取引は合法
- 中心となる法律
- デジタル資産法 第193-VII号(2023年4月1日施行)
- 規制当局
- AFSA(AIFC内)、国立銀行(2025年11月の改正後、AIFC外)
- 認可取引施設
- Binance KZ、Bybit KZ、ATAIX Eurasia
- 主な入金方法
- Kaspi、Halyk、Freedom、Forteなどの銀行カード・ネットバンキング、テンゲP2P
- 税金
- 個人所得税10% / 15%(2026年新税法)
- CEX.IO
- 登録可能だがAFSA / 国立銀行のライセンスなし(日本居住者は利用不可)
02カザフスタンで暗号資産は合法か:AIFCから国立銀行へ
カザフスタンの「デジタル資産法」(第193-VII号)は2023年2月に成立し、4月1日に施行されました。デジタル資産を「裏付けのあるもの」と「裏付けのないもの」の2種類に分けています。2025年まで、暗号資産取引所はアスタナ国際金融センター(AIFC)内でしか営業できず、ライセンスはAFSAが発行していました。マイナーも登録とライセンス取得が必要で、採掘した暗号資産の一部をAIFCの取引所で売却する義務がありました。
2025年11月17日、トカエフ大統領は人工知能とデジタル化に関する改正法に署名し、公布から60日後(2026年1月ごろ)に施行されました。変更点は4つです。AIFCの外でも認可を受けた暗号資産取引業を営めるようになり、ライセンスと監督はカザフスタン国立銀行が担うこと。マイナーがAIFCのプラットフォームで売却する義務の撤廃。法人と個人事業主のマイニング解禁。裏付けのないデジタル資産の発行禁止の解除。当局者は、これまでAIFCのコンプライアンス要件を満たしていた市場参加者は約5%にすぎなかったと述べています。私たちが確認した時点では、国立銀行の細則やAIFC外の最初の認可事業者はまだ確定していません。国立銀行公式サイトの発表に注目してください。
銀行法の改正でもデジタル資産が対象に加えられ、両替やカストディを提供する「暗号資産銀行」についての議論もすでに始まっています。カザフスタンの狙いは明確で、ユーラシアをつなぐ暗号資産ハブになることです。
03カザフスタンのおすすめ暗号資産取引所:認可事業者ランキング
ランキングではまずライセンス(AFSA公開登録簿に基づく、2026年10月1日確認)を重視し、次にテンゲの入金方法、取扱銘柄、アプリの使い勝手、セキュリティの実績を評価しました。
- AIFC認可 · 総合首位
Binance KazakhstanBN KZ Technologies · AFSA-A-LA-2024-0028
BinanceのAIFC認可法人で、2024年9月25日からライセンスが有効です。Freedom Bankのネットバンキングによるテンゲ入金に対応し、テンゲP2P市場ではKaspiやHalykなどで支払えます。国のAlem Crypto Fundが最初の購入を行ったプラットフォームでもあります。銘柄数と流動性は国内で他を寄せつけません。
- AFSA認可
- Freedom Bankテンゲ入金
- テンゲP2P(Kaspiなど)
- アプリ評価4.8(グローバル)
-
Bybit KazakhstanBybit Limited · AFSA-A-LA-2024-0027
Binance KZと同じ日にAFSAのライセンスを取得。Kaspi、Halyk、Forte、BCCなどカザフスタンの銀行のVisa / Mastercard、Apple Pay、Google Payでの入金に対応していると報じられ、カザフスタン初の規制下のP2Pプラットフォームとも呼ばれています。
- AFSA認可
- 国内銀行カード入金
- 規制下のP2P
- アプリ評価4.6(グローバル)
-
ATAIX EurasiaAFSA-A-LA-2025-0022
2025年10月15日にライセンスを取得。認可を受けた3つの取引施設のうち唯一カザフスタン資本が支配する事業者で、「カザフスタン初の認可暗号資産取引所」を自称しています。国内銀行カードでのテンゲ入金に対応していると報じられています。規模と銘柄数は2つの国際大手に及びませんが、国内のプラットフォームを好む人に向いています。
- AFSA認可
- 国内資本
- テンゲのカード入金
- 銘柄は少なめ
7.8/10公式サイト ↗ - 海外の選択肢 · カード購入
CEX.IO2013年設立 · 海外プラットフォーム
老舗の海外取引所で、Visa、Mastercard、Apple Pay、Google Payで直接購入でき、法定通貨は米ドル・ユーロ・英ポンドです。カザフスタン居住者は登録できますが、CEX.IOはAFSAや国立銀行のライセンスを持たず、カザフスタンの顧客には国際法人がサービスを提供するため、現地の投資家保護は適用されません。日本居住者は利用できません。
- 現物 0.15% / 0.25%
- カード手数料 0.49〜4.99%+サービス料
- テンゲ入金非対応
- カザフスタンでは無認可
アプリ評価はGoogle Play米国ストアの値で、グローバル版アプリへの評価です。手数料は公式サイトでご確認ください。採点方法は評価方法をご覧ください。
3つの取引施設のほかに、AIFCにはデジタル資産サービス事業者(DASP)も登録されています。たとえばIntebix(AFSA-G-LA-2022-0003/0004、銀行と連携したテンゲ入金の試験導入に参加)、Bigone Investment、Pyypl Kazakhstanなどです。報道によると、AIFCの認可暗号資産企業は約27社、そのうち取引プラットフォームは約12社です。
| 認可法人 | ライセンス番号 | 有効日 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| BN KZ Technologies(Binance Kazakhstan) | AFSA-A-LA-2024-0028 | 2024-09-25 | binance.kz |
| Bybit Limited(Bybit Kazakhstan) | AFSA-A-LA-2024-0027 | 2024-09-25 | bybit.kz |
| ATAIX Eurasia Ltd. | AFSA-A-LA-2025-0022 | 2025-10-15 | ataix.kz |
カザフスタン在住で、まずはVisa、Mastercard、Apple Payでビットコインを少額だけ買ってみたい方は、数分で始められます。海外プラットフォーム · カザフスタンでは無認可 · 新規口座は最初の3か月 1日1,000ドルまで · 日本居住者は利用不可
カードで購入04Kaspiと銀行カードで暗号資産を買う
Kaspi.kzはカザフスタンで圧倒的なシェアを持つスーパーアプリ兼銀行で、BinanceやBybitのテンゲP2P市場で最もよく使われる支払い手段でもあります。ほかにHalyk、Freedom、Forte、Jusan、BCCといった銀行がよく使われます。AFSAと銀行による試験導入を経て、銀行カードからAIFC認可取引所への直接入金が認められるようになりました。
- 認可法人で登録する
Binance Kazakhstan、Bybit Kazakhstan、ATAIXのローカルサイトに登録していることを確認し、カザフスタンの身分証で本人確認を済ませます。
- テンゲの入金方法を選ぶ
Binance KZはFreedom Bankのネットバンキング入金に対応。Bybit KZは国内銀行カードとApple / Google Payに対応していると報じられています。直接入金のほうがP2Pより安心です。
- P2Pを使うならプラットフォーム内だけで
認可プラットフォームのP2P市場で、取引量が多く評価の高い業者を選びます。やり取りはすべてプラットフォーム内で行い、本人名義の口座だけで支払い、プラットフォーム外での送金はしないでください。
- 購入して安全に保管する
ビットコインやUSDTを注文します。少額ならプラットフォームに置いたままでもよく、大きな金額はセルフカストディのウォレットを検討しましょう。出金前にネットワークとアドレスを確認してください。
05銀行の暗号資産カード:Halyk、Forte、Freedom、RBK、Altyn

2025年6月、国立銀行の試験導入のもとで、Halyk、Forte、Freedom、RBK、Altynの5行が、BinanceやAIFCの取引所にある暗号資産で買い物ができるカードを発行しました。当時AIFCでは11の取引所が営業していました。
一般の人にとっては、暗号資産と日常の支払いのあいだに初めて規制された経路ができたことを意味します。
海外の暗号資産デビットカードと同じく、支払い時にはまず暗号資産をテンゲに換えるのが一般的で、為替レートと両替手数料が主なコストになります。カードを作る前に手数料表をよく確認しましょう。海外の暗号資産カードの比較は暗号資産カードをご覧ください。
06国家暗号資産準備とAlem Crypto Fund
カザフスタンは、国家として暗号資産の準備を明確に設けている数少ない国のひとつです。ブルームバーグなどの報道によると、準備の目標規模は5億〜10億ドルで、原資は没収資産と国営マイニング。最初の移管は2026年1月に行われ、当初の規模は約3.5億ドルでした。準備は現物のビットコインを直接保有するのではなく、主にETFや暗号資産企業への投資で運用されるとの報道もあり、情報は一致していません。
もうひとつのプロジェクトがAlem Crypto Fundです。人工知能・デジタル発展省が設立し、Qazaqstan Venture Groupが運用、AIFCに登録されています。最初の投資はBinance Kazakhstanを通じたBNBの購入でした。政府はアラタウ市(Alatau City)をユーラシアの暗号資産ハブと位置づけ、暗号資産決済の試験区の設置も検討しています。
07違法プラットフォームの取り締まり:1,100超のサービスを遮断
金融監視庁(AFM)は無認可取引所のサイトを継続的に遮断しています。2026年1月の報道によると、2025年には1,100を超える違法な暗号資産サービスが遮断され、22のシャドー取引所が閉鎖されました。それ以前の数回の取り締まりでも、すでに3,500以上が遮断されています。捜査では15の犯罪グループと29の違法な現金化プラットフォームが摘発され、取扱額は1,280億テンゲ(約2.51億ドル)を超え、約2万枚の受取用カードが凍結されました。2025年10月の一斉摘発では130のプラットフォームが閉鎖され、約1,670万ドルが押収されています。
暗号資産を名目にしたピラミッド(ネズミ講)型詐欺(финпирамиды)は、AFMが最も頻繁に警告しているテーマです。見分け方はほかの国と同じで、固定の高利回りを約束する、勧誘した人数に応じて報酬を出す、Telegramでの個人間送金を求める、といったものには近づかないことです。プラットフォームのライセンスの確認方法は取引所の安全性とライセンスをご覧ください。
08カザフスタンの暗号資産にかかる税金
新しい税法は2025年7月18日に成立し、大部分の規定が2026年1月1日から施行されています。個人所得税は月額計算指数(MCI)8,500倍までが10%、超過部分が15%です。マイニング収入は取得時に課税され、数量×その時点の価値で計算します。この評価ルールも2026年1月1日から適用されています。
個人の取引益は一般に「その他の所得」として個人所得税に含まれますが、申告の細則はまだ整備中です。AIFCの参加者は一部の金融サービスについて2066年までの税優遇を受けられますが、これは企業向けで個人投資家は対象外です。取引記録はすべて保管し、現地の税理士に相談してください。日本の居住者であれば、海外での取引も雑所得として確定申告の対象になりうる点に注意が必要です。各国の税制比較はアジアの暗号資産税制ガイドをご覧ください。
カザフスタンではUSDTの人気が高く、テンゲの変動へのヘッジとして使われるほか、ロシアや中国との越境取引にも使われていると報じられています。ホルゴス周辺には中国系企業も多くあります。ステーブルコインによる越境決済には外為規制とマネーロンダリング対策のルールが関わるため、必ず認可ルートを通してください。隣国のルールはキルギスの暗号資産ガイド、認可事業者が集まるもうひとつの市場はUAE・ドバイの暗号資産ガイドで確認できます。日本国内で購入する方法は日本の暗号資産ガイドと国内取引所比較を、すべての市場はアジア各国の概要をご覧ください。
よくある質問
カザフスタンで暗号資産を買うのは合法ですか?
合法です。「デジタル資産法」(第193-VII号)が2023年4月1日に施行され、認可プラットフォームを通じた暗号資産の保有・取引は合法とされています。これまで認可取引所はアスタナ国際金融センター(AIFC)内でのみ営業でき、アスタナ金融サービス庁(AFSA)がライセンスを発行していました。2025年11月17日に署名された改正法により、AIFCの外でもカザフスタン国立銀行のライセンスと監督の下で取引所を運営できるようになりました。
カザフスタンで認可を受けている暗号資産取引所はどこですか?
2026年10月1日時点で、AFSAの公開登録簿に「デジタル資産取引施設」のライセンス保有者として載っているのは3社です。BN KZ Technologies(Binance Kazakhstan、AFSA-A-LA-2024-0028)、Bybit Limited(Bybit Kazakhstan、AFSA-A-LA-2024-0027)、ATAIX Eurasia(AFSA-A-LA-2025-0022)。AIFCにはIntebixなどほかのデジタル資産サービス事業者もあります。口座開設前にpublicreg.myafsa.comで確認してください。
Kaspiでビットコインを買えますか?
買えますが、多くの場合は間接的な方法です。Kaspiは認可取引所のテンゲP2P市場で最もよく使われる支払い手段です。AFSAと銀行による試験導入を経て、カザフスタンの複数の銀行のカードからAIFC認可取引所へ直接入金することも可能になりました。Binance KazakhstanはFreedom Bankのネットバンキングによるテンゲ入金にも対応しています。P2Pで出どころ不明の資金を受け取ると、マネーロンダリング捜査で銀行カードが凍結されるおそれがあるので注意してください。
カザフスタンで暗号資産の利益に税金はかかりますか?
かかります。2026年1月1日に施行された新しい税法では、個人所得税は月額計算指数(MCI)8,500倍までが10%、超過部分が15%です。マイニング収入は取得時に、数量×その時点の価値で課税されます。個人の取引益は一般に「その他の所得」として個人所得税に含まれますが、申告の細則はまだ整備中です。現地の税理士に相談することをおすすめします。
カザフスタンでCEX.IOは使えますか?
カザフスタンはCEX.IOのサービス対象外国リストに入っておらず、カザフスタン居住者は登録してVisa、Mastercard、Apple Pay、Google Payで購入できます。ただしCEX.IOはAFSAや国立銀行のライセンスを持たず、カザフスタンの顧客には国際法人がサービスを提供するため、現地の投資家保護は及びません。テンゲ入金や日常の取引にはAIFC認可の事業者を優先してください。日本居住者はCEX.IOを利用できません。
参考資料
- AFSA公開登録簿 — デジタル資産取引施設運営者 · 2026年10月1日確認
- AFSA公開登録簿 — デジタル資産サービス事業者(DASP) · 2026年10月1日確認
- Astana Financial Services Authority · 2026年10月確認
- Binance — Freedom Bankのネットバンキングでテンゲを入金する方法 · 2026年10月確認
- Interfax — カザフスタンの銀行が暗号資産カードを開始 · 2025年6月
- PwC Worldwide Tax Summaries — Kazakhstan individual taxes · 2026年10月確認
まずはカードで少額から試す
登録と本人確認は数分。Visa、Mastercard、Apple Payでビットコインを購入できます(カザフスタンなど対象国の居住者向け、日本居住者は対象外)。テンゲ入金と日常の取引にはAIFC認可の事業者を優先してください。
国際ライセンス取得プラットフォーム · 2013年から運営 · 対象国の居住者向け(日本居住者は対象外)